歯並びは、歯の大きさと顎の大きさとのバランスに大きく影響されます。分かりやすく、顎の骨を「ベンチ」、歯を「そこに座る人」にたとえてみましょう。
歯並びに凹凸が生じている状態は、6人用のベンチに7~8人が座ろうとしているようなものです。ベンチに十分な広さがなければ、全員がきれいに並んで座ることはできません。矯正治療でも同様に、歯をきれいに並べるためには、歯が並ぶためのスペースを確保する必要があります。
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歯が並ぶスペースを「ベンチ」にたとえたイメージ
成長を活かし、
できるだけ永久歯を抜かずに
歯並びと噛み合わせを整えるために
「矯正治療では歯を抜くのが当たり前」と思われていませんか。
実際には、成長期のお子様では顎の成長を上手に利用することで、永久歯を抜かずに歯並びや噛み合わせを改善できるケースが数多くあります。
ジョイスマイル矯正歯科では、「できるだけ歯を抜かない矯正治療(非抜歯矯正)」を基本方針としています。ただ単に歯を抜かないことを目的とするのではなく、歯並びや噛み合わせはもちろん、口元や横顔との調和まで考えた矯正治療を大切にしています。
歯並びは、歯の大きさと顎の大きさとのバランスに大きく影響されます。分かりやすく、顎の骨を「ベンチ」、歯を「そこに座る人」にたとえてみましょう。
歯並びに凹凸が生じている状態は、6人用のベンチに7~8人が座ろうとしているようなものです。ベンチに十分な広さがなければ、全員がきれいに並んで座ることはできません。矯正治療でも同様に、歯をきれいに並べるためには、歯が並ぶためのスペースを確保する必要があります。
歯が並ぶスペースを「ベンチ」にたとえたイメージ
成長期のお子様の場合には、顎の成長を利用したり、歯列を適切に拡大したりすることで、永久歯を抜かずにすべての歯を並べるためのスペースを確保できる場合があります。
そのため当院では、永久歯がすべて生えそろってから治療方法を考えるのではなく、混合歯列期から顎の成長や永久歯の萌出状態を確認し、適切な時期に治療を開始することを大切にしています。症例によっては、前期(1期)治療だけで矯正治療を終了できる場合もあります。
このページでは、非抜歯矯正の重要なポイントとなる「歯を並べるためのスペースをつくる治療」を中心にご説明します。治療後は、後戻りを防ぎ、歯並びを安定させるための保定治療を行います。
歯並びや骨格、成長の状態などを診断したうえで、一人ひとりに適した方法を選択します。
子供用マウスピース型矯正装置(インビザライン・ファースト)は、混合歯列期のお子様を対象とした、透明なマウスピース型の矯正装置です。
当院では、歯列を横方向へ拡大する治療において、子供用マウスピース型矯正装置(インビザライン・ファースト)を第一選択としています。大きな特徴は、単に歯列を拡大するだけでなく、歯列の拡大と前歯の配列を同時に進められることです。症例によっては、前期(1期)治療だけで矯正治療を終了できる場合もあります。
透明で目立ちにくく、取り外しができることも特徴です。ただし、十分な装着時間を確保する必要があります。装着時間の確保が難しい場合には、固定式の拡大装置を選択することがあります。
写真1 子供用マウスピース型矯正装置
(インビザライン・ファースト)
写真2 急速拡大装置
写真3 クワッドヘリックス
写真2は急速拡大装置です。中央にある拡大ネジの作用によって、上顎の骨格的な拡大を行います。
写真3はクワッドヘリックスです。ワイヤーの弾力を利用して歯列を横方向へ拡大します。いずれも歯に固定する装置のため、患者様ご自身で取り外すことはできません。
これらの装置を使用することで、凹凸のある歯並びを整えたり、前方に出ている前歯を後方へ移動したりするために必要なスペースを確保します。
写真4 拡大床装置
写真5 主に下顎に用いる取り外し式装置
写真4の拡大床装置も、歯列を横方向へ拡大する取り外し式の装置です。中央にある拡大ネジを調整することで、徐々に歯列を横方向へ拡大します。固定式の急速拡大装置やクワッドヘリックスと比較すると、取り外しができる反面、装着時間によって治療効果が左右されやすく、治療期間が長くなることがあります。
写真5は、主に下顎に使用する取り外し式の装置です。写真1~4の装置が歯や歯列に直接力を加えて拡大するのに対し、この装置は、頬や口唇など歯列の外側から加わる筋肉の力を和らげることで、歯列が横方向へ広がることを促します。
歯列を横方向へ拡大する装置には、「取り外し式」「固定式」などさまざまな種類があります。
当院では現在、子供用マウスピース型矯正装置(インビザライン・ファースト)を第一選択としています。透明で目立ちにくいだけでなく、歯列の拡大と前歯の配列を同時に進めることができるためです。
一方、十分な装着時間を確保することが難しい場合には、固定式の拡大装置へ変更することがあります。子供用マウスピース型矯正装置(インビザライン・ファースト)から固定式装置へ変更する場合でも、子供用マウスピース型矯正装置(インビザライン・ファースト)の費用をお支払いいただいている患者様には、原則として追加の装置費用はいただいておりません。
写真6 固定式の後方移動装置
写真7 顎外固定装置
歯を抜かずに歯を並べるもう一つの方法が、奥歯を後方へ移動させる方法です。奥歯を後方へ移動させることで、前方に歯を並べるためのスペースを確保します。
前歯を前方へ移動してスペースをつくる方法もありますが、口元が前方へ突出してしまうことがあるため、当院では基本的に積極的には行いません。
写真6の固定式装置を使用すると、バネの力を利用して奥歯を後方へ移動させることができます。奥歯を後方へ移動することで確保されたスペースは、前方に出ている前歯を後方へ移動したり、凹凸のある歯並びを整えたりするために利用します。
また、必要に応じて、写真7のような顎外固定装置を使用することがあります。これは取り外し可能な装置で、主に夜間の就寝時に装着していただきます。顎外固定装置を固定式装置と併用することで、奥歯の後方移動をより効果的に進められる場合があります。症例によっては、固定式装置のみ、あるいは顎外固定装置のみを使用して治療を行うこともあります。
写真8 歯の表面を覆うエナメル質
写真9 IPR(歯の隣接面削合)のイメージ
歯の表面は、硬い組織であるエナメル質で覆われています。
歯を並べるためのスペースがわずかに不足している場合には、歯と歯が接する部分のエナメル質を少量ずつ削り、必要なスペースを確保する方法があります。この方法は「IPR(歯の隣接面削合)」と呼ばれます。
削る量はエナメル質の範囲内で必要最小限にとどめます。適切に行うことで、歯への負担を抑えながら歯を並べるためのスペースを確保することができます。
(A)(B)の歯列を拡大する治療は、本格的な歯の移動を行う前に行うことが多いのに対し、(C)のIPRは、歯を動かす治療と並行して行うことが多い方法です。必要なスペースの量や歯の形・大きさなどを確認し、一人ひとりの状態に応じて必要な部位に必要な量だけ行います。
(A)~(C)の方法をすべて行うわけではありません。歯並びや骨格、成長の状態、必要なスペースなどを診断し、患者様一人ひとりに適した方法を選択します。
特にIPRが必要な場合には、治療前に十分ご説明し、患者様または保護者の方にご了承いただいたうえで行います。必要以上に歯を削ることはありません。
当院の非抜歯矯正では、親知らずを除く28本の永久歯をできるだけきれいに並べ、機能的に噛み合うことを目指しています。
ただし、「歯を抜かないこと」そのものを治療の目的としているわけではありません。親知らずについては、歯並びや萌出状態などを考慮し、抜歯をおすすめすることがあります。
成長期のお子様では、顎の成長を利用できるため非抜歯矯正の可能性が高まります。しかし、すべてのお子様を非抜歯で治療できるわけではありません。例えば、次のような場合には抜歯治療を検討することがあります。
非抜歯にすることだけを優先するのではなく、歯並び、噛み合わせ、口元や横顔との調和を総合的に考えて治療方針を決定します。
成人では顎の成長を利用することができないため、成長期のお子様と比べて、非抜歯矯正で確保できるスペースには限界があります。
また、歯並びだけでなく、口元や横顔をより美しく整えるために、抜歯矯正の方が適している場合もあります。
そのため当院では、成人の患者様についても非抜歯治療の可能性を十分に検討しますが、診断の結果、抜歯治療の方が適していると判断した場合には、その理由や治療による違いを十分にご説明します。最終的には患者様に治療方針をご理解いただき、ご納得いただいたうえで治療を進めていきます。
骨格的な不正咬合には、上下顎の前後的関係から上顎前突・下顎前突、上下的関係から開咬・過蓋咬合、左右的関係から交叉咬合があります。これらが複合してみられる場合もあります。
成長期では、このような骨格的な問題を早期に把握し、顎の成長発育を適切な方向へ導くことが、将来の非抜歯矯正の可能性を高めるうえで重要です。