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3-9 固定式装置の違和感と痛みについて

矯正歯科で使用される装置を大別すると、固定式装置と可撤式装置になります。そのうち固定式装置には、エッジワイズ装置(多数歯の移動と配列)、クォードヘリックス(上顎歯列の側方拡大)、バイヘリックス(下顎歯列の側方拡大)、リンガルアーチ(少数歯の移動や歯列の幅径維持)、GMD(臼歯の後方移動)、パラタルアーチ(臼歯の前方移動防止)、パラタルボタン(臼歯の前方移動防止)、固定式タングクリブ(舌癖防止)等があります。これら装置の写真や使用方法などはこちらを参照して下さい。

これらの装置は、歯科用接着剤で歯に固定しますので、自分で取り外すことはできません。装置を外すのは、来院時で、装置調整の時だけです。このように取り外せないため、慣れるまでに、発音、食事、歯磨き等で不自由するかもしれませんが、どなたでも何とか頑張れます。この違和感は2、3週間で減少していきます。次回来院する頃には、完全に慣れてしまいますので、むしろ装置を外した方が気持ち悪いとの感想を抱かれると思います。

痛みについてですが、装着して半日経過時より歯が浮いたような痛みが発生し、通常3、4日間続きます。中には1週間くらい痛みが続くことも希にあります。痛みは主に、歯が噛み合わさったときに起こります。つまり、食事の時の痛みが主ですので、この間は軟らかいものを食べて過ごしてください。もし、幸い痛みがない場合でも、最初の3、4日間は硬いものを食べるのは極力避けてください。硬いものを食べた瞬間から猛烈な痛みに変わる恐れがあります。食事以外の時は、歯を強く噛み合わさない限り我慢できると思われます。痛みが全くない場合はほとんどありませんが、今まで、痛みのせいで治療を断念された方はいらっしゃいませんのでご安心ください。

このように、違和感や、痛みは必ず起こりますが、必ず無くなります。しかし、なにぶん初めての体験でしょうから、我慢すべきか不安になられるかもしれません。そのような場合は、一人で悩まず主治医に相談すべきでしょう。力を弱める等の処置が必要になる可能性があります。我慢すべきでないほど痛みがきついのに、それを我慢したばかりに、歯の神経が死んでしまうことも希ですがあり得ます。

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