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1-11 子供の矯正治療装置

矯正治療を行う場合、歯を抜くことがあるとお聞きになられることがあると思います。しかし、ほとんどの人は、できれば歯を抜かないで歯並びを治したいと思われます。

歯並びの不正は、歯と顎の大きさのバランスや、顎の成長、歯の生え方など、さまざまな原因によって起こります。特に成長期の子供では、これから生えてくる永久歯のスペースを確保しながら歯列を整えることで、将来、永久歯を抜かずに矯正できる可能性を高めることができます。

以前の子供の矯正治療では、顎を拡げるために可撤式拡大床(床矯正)や固定式拡大装置などがよく使用されていました。当院でも必要に応じてこれらの装置を使用してきました。

しかし現在、当院で子供の矯正治療の中心として使用しているのが、子供用マウスピース型矯正装置(インビザライン・ファースト)です。

子供用マウスピース型矯正装置(インビザライン・ファースト)は、乳歯と永久歯が混在している時期の子供を対象とした透明なマウスピース型の矯正装置です。従来の拡大装置のように歯列を拡げて永久歯が並ぶスペースを確保するだけではなく、一本一本の歯を動かしながら、歯列の幅や形、噛み合わせを同時に整えていくことができます。

また、取り外しができるため食事や歯みがきがしやすく、透明なので装着していても目立ちにくいという利点があります。ただし、決められた時間きちんと装着することが必要ですので、ご本人とご家族の協力も大切になります。

症例によっては、子供用マウスピース型矯正装置(インビザライン・ファースト)だけですべてを行うのではなく、部分的なワイヤー矯正装置や固定式の装置を併用することもあります。

また、過蓋咬合など、歯並びだけでなく口腔周囲筋や舌の機能にも配慮した方がよい場合には、歯列矯正用咬合誘導装置(マイオブレース)などを使用することもあります。

さて、矯正治療の開始時期ですが、これは「何歳になったら始める」と一律に決められるものではありません。永久歯への交換時期や歯並び、噛み合わせ、顎の成長には個人差があるからです。

当院では、永久歯への交換が始まった混合歯列期に歯並びや噛み合わせを確認し、その子にとって最も適した時期に治療を開始することを大切にしています。

子供の時期から矯正治療を行う大きな目的は、単に「今見えている歯をきれいに並べること」だけではありません。

これから生えてくる永久歯のためのスペースを確保し、成長を利用しながら歯列や噛み合わせを整えることにあります。

そして当院では、子供用マウスピース型矯正装置(インビザライン・ファースト)などを用いてこの時期にできるだけしっかりと治療することで、可能な限り1期(前期)治療で矯正治療を完結することを目指しています。

もちろん、歯並びや骨格、永久歯の生え方には個人差がありますので、すべてのお子さんが同じ装置、同じ治療方法になるわけではありません。お子さん一人ひとりの成長と歯の生え変わりを診ながら、最も適した装置と開始時期を選択することが大切です。

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