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1-1 子供の歯並びが悪くなる原因は

原因を考慮した正しい矯正治療を!

歯並びが不正になる原因を大きく分けると、遺伝的原因と環境的原因になります。

顎や歯の大きさは遺伝しやすく、親子の歯並びはよく似ている場合が多いです。顔が似ているのと同じく、当然と言えば当然ですよね。その中でも、受け口は遺伝しやすく、両親のどちらかが受け口だと、子供も受け口になりやすいとされています。

環境的原因として有名なのは、おしゃぶりの長期使用やいつまでも止められない指しゃぶりでしょうか。これらは、出っ歯になる原因としてよくご存じでしょう。

慢性的な鼻炎や肥大した扁桃腺があると、いつもお口が"ポカン"と開いており、口の中から、舌に歯が押されて、受け口や出っ歯、開咬になったりします。これらは、鼻咽腔疾患が原因となって起こる歯列不正です。口は、鼻や咽頭と隣接していますので、その影響があることは、容易に想像できますが、耳鼻咽喉科で歯列不正を指摘されることがあまりないことから、鼻咽腔疾患が原因で歯並びが悪くなったことを全く知らない人が多いです。また、これらの疾患が無くても、舌突出癖と言って、嚥下や発音時に、舌を前に突き出す癖を持った人も、同じような歯列不正になってしまいます。鼻咽腔疾患、舌突出癖とも環境的原因の代表格です。

歯並びの不正が遺伝的な原因と環境的な原因によることをご説明しましたが、大抵の不正咬合はどちらもが組み合わさって起こっています。どちらの割合が大きいかはケースバイケースですが、実際に治療する場合には、これらの原因を考慮して治療を計画する必要があります。除去できる原因であれば、治療に先立って取り除くか、矯正治療中に並行して除去します。場合によっては、耳鼻咽喉科と並行して通院して頂く必要もあります。除去できる原因を放置することは、治療期間がいたずらに延びてしまうばかりか、矯正治療後の後戻りの原因となります。また、放置期間が長いほど、原因除去に要する期間も長くなりますので、気がついたり、検診で指摘されたりすれば、速やかに矯正歯科へ相談に行かれることをお勧め致します。

また、遺伝的な原因は、その悪影響が大きくなる前に対処する必要があります。遺伝的な影響は成長とともに大きくなり、特に、小学校高学年からの思春期の成長で著明になります。例えば、受け口の人など、この時期にその程度が増悪したり、いったん治ったものが再発したりします。よって、思春期の旺盛な成長をむかえる前、つまり小学生の半ばからの治療が肝要になります。ただし、成長の仕方は個人差があるため、もう少し早くから治療を開始すべき場合もあります。

色々な原因があったとしても、多くの場合、矯正治療の開始に年齢は関係ありません。当院でも大勢の大人の方が治療を受けておられます。しかし、治療を難しくさせないためにも、歯を抜かなくても済むようにするためにも、小学生半ばという比較的早期からの治療開始をお勧め致します。早期からの治療の方が色々と可能性が大きいのです。

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