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1-4 親御さんに伺います-本当に子供さんの歯並びを気にしていますか?

− 子供の歯列矯正を成功に導くために大事なこと! 第2段 −

初診相談へ行く前に、色々とネットの情報を調べたり、お友達から矯正歯科の情報を調べたりと、とても熱心な親御さんが増えています。高額で何年もの期間がかかる矯正治療ですから、医院選びで失敗しないように、後悔しないようにとのことだと思います。このように事前の知識を得た上で、複数件の矯正歯科を受診されたりしています。
その一方、事前知識のないまま、かかりつけの歯科医に言われたから、学校歯科健診で指摘されたからという理由で矯正歯科を受診される親御さんも少なからずいらっしゃいます。このような親御さんの一部に、流されるままに子供の治療を決められる方がいらっしゃいます。そして、残念ながら、その子供さんの治療がうまく進まないことがあります。

流されるままに決めたと言っても、保険の効かない高額な矯正治療ですから、重大な決心がいったはずです。ドクターに指摘された、子供の歯並びの問題も理解しようと努めたはずです。歯列矯正に関心も持ったはずです。しかし、治療が始まるや、関心を持っておられるのかどうか、非常に疑問に思える場合があります。

【子供さん自身が歯並びを気にしていますか?】のコラムで、子供の歯列矯正を成功に導くために一番大事なことは、子供自身が歯並びを気にしている必要があることをご説明致しました。歯並びは、医院で受ける治療だけで治るのではなく、決められた時間だけ、決められた装置を装着することで初めて治ります。つまり、子供さんの努力が大事なのです。そのような努力を何年にもわたって続けるためには、子供さん自身が歯並びを気にして、治したいという意欲を持ち続けることが鍵になります。しかし、子供さん自身がそのように思っていたとしても、根気が続かないこともあります。そんな時、親御さんの協力が大事になり、無関心であってもらっては困るのです。

不思議なことに、子供さんの最初の歯並びを忘れてしまう親御さんがいらっしゃいます。「良くなりましたね」とお声をかけても、「どこが変わりましたか?」と質問される事があります。最初の歯並びを忘れてしまったので、どう良くなったのか判断できないのです。これなど、関心が薄れてきている典型例です。

よく観察されている親御さんからは、こちらから伺わなくても、「歯が並んできた」、「歯が引っ込んだ」、「昔のスナップ写真と比べて口元の印象が良くなった」などと言われます。また、「もっと口元を引っ込めて欲しい」などと注文がつくこともあり、親御さんの関心の高さがうかがえます。このような親御さんは治療にとても協力的で、子供さんの治療もスムーズにうまく行くことが多いのです。

関心が低下しつつある親御さんは、約束日時を無断キャンセルされることが多くなります。残念ながら、歯並びを一瞬で治す、魔法のような薬も方法もないのです。当然ながら、歯並びを治すためには、毎月のように、決められた約束日時に来院し、決められたドクターの指示を守って、何年にもわたる治療を継続する必要があるのです。

矯正治療中は、装置のせいで、虫歯のリスクが高まります。関心が薄れつつある親御さんの場合、甘いおやつの管理が不十分で虫歯のリスクが更に高まってしまいます。寝る前に、磨き残しがないか、親御さんにチェックをお願いすることがありますが、残念ながら、このような親御さんではいい加減になってしまいます。せっかく、歯並びがキレイになっても、虫歯になってしまっては意味がありません。

子供さんの歯並びの変化に関心を持っていないと、治療の全ては、ドクターと子供任せになってしまいます。治っていなくても分からないのです。未熟なドクターによる不適切な治療のせいで、歯並びが治っていないとしたらどうでしょうか?矯正料金が高いからといって、安心しきっていませんか?このようなトラブルに遭わないためには、医院選びを慎重に行うことも大事ですが、普段から子供の歯並びの変化に関心を持ってもらうことがとても大切になります。高いお金をかけたからと言って、親の勤めを果たしたことには、残念ながら、ならないのです(【歯列矯正をしたのに、歯並びが治らない!?】のコラムを参照)。

最悪、歯並びが治っていないというトラブルに遭っていることすら気がつかない場合があるかもしれません。未熟な歯科医が淘汰されないで生き残っている原因の一端は、このような、子供さんの歯並びに対して関心が薄れていくという、親御さんの存在にあるのかもしれません。そうだとしたら、親御さんにとってはとても気の毒なことでありますが、未熟な歯科医にとっては好都合という、とても残念な結果になってしまいます。

子供さんの歯並びが気になっても、子供さんが見せてくれなければわかりません。嫌がらずに口の中を見せてもらうためには、日頃から、親子のコミュニケーションを大事にしておく必要があります。また、治療の要所要所で、ドクターから歯並びの変化に対してのコメントをもらうことも大事でしょう。本来なら、ドクターの方から先に、コメントがあって然るべきですが、なかなか説明がないようでしたら、親御さんからコメントを求めてください。治療中、絶えず関心を持ち続けることが、治療を成功に導くためにとても大切なことなのです。そうすると、治療終了時の喜びも倍増することでしょう。

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